概要
真言宗は、「弘法大師」の名前で今も多くの人々に親しまれている空海(774-835)
を宗祖として812年に開宗された佛教の一宗派です。もともとはインドに端を発し、中国へ伝えられた宗教ですが、
「真言宗」としてあらゆるものを体系づけ、確立させたのは空海が最初になります。
この真言密教の教主は「大日如来」と呼ばれる佛です。大日如来は宇宙の根源(真理)そのものを
眼に見える形として現していますので法身仏といわれます。法身・大日如来はあらゆる時に、あらゆる場所であらゆる人々に法
(真理)を説きつづけています。しかし、聞き手にその法を聞けるだけのもの(機根)が備わっていなければ、大日如来の法が
空気のように自分の身の回りに遍満していても、それを聞くことはできないのです。これが密教(秘密の佛教)と呼ばれる所以(ユエン)です。
また、密教(真言宗)では皆が仏陀(真理に目覚めた人)となれ、悟りを開くことができると説いています。そのためには、
この大日如来と一体となって修行を行うことが大切になってくるのです。そうすれば、この世においてこの身このままで
佛になることが出来る(即身成仏)と、空海は示しています。
そのために、身・口・意の三業を大日如来の三密と一体化させ、手に印を結び、真言(お経)を唱え、心を落ち着かせて
佛と対峙することが重要になってきます。このような実践や、「家行の行」を日々重ねていくことで心が浄化され、大日如来の法を
聞くことができるようになり、佛へ近づいていけるのです。
青隆寺は 1990年7月29日、旧大師堂に東寺真言宗不動山青隆寺として吉井雄海により 開山されました。
開山当初より、弘法大師の誓願である、密教興隆・済世利民(サイセイリミン)・即身成仏に基づいた宗教改革(社会教化)を基本に据(ス)えて、
宗教活動(詳細はHPの各項目に記載)を実践しつつあります。
まず、当寺の大きな特徴の一つとして巨石を中心に組んだ庭園があげられます。御道の脇や各御堂の周りに配された石がそれぞれの
場所で異なる顔を演出し「癒しの空間」を提供しています。こうして密厳浄土を出現させることで、お寺へお参りに来られる
多くの人々に御佛の慈悲や智慧に触れていただき、私たちにとって仏法が何よりも大切なものだということを観じていただきたいと
想っています。
佛の教えは飾り物ではなく、亡くなられた方だけのものでもありません。佛教(仏法)は私たちの日常の指針となるものなのです。
ですからそのお経を読誦(ドクジュ)し写経することや下座行などの日々の実践と、それによって自ら滅罪し功徳を積むことの大切さを
説きつづけていることも当寺の特徴の一つといえるでしょう。
このように目には見えない部分の改革から目に見える部分の改革(宗教交流・青隆寺児童基金に基づく活動等)まで、
さまざまな方面から人々の心を真の意味で救済していくことを願い、日々精進を重ねているところです。