世界遺産 Wies(ヴィース)教会
              合同法要・友好関係締結

平成16年6月7日(月)

 澄み渡る青空の下、ヴィース教会(=草原の上の教会)の名の如く、一面に緑が広がり、教会の白壁も一段と輝き放つ中、 行道が始まりました。私共の法要にキルヒマイヤー神父も参列なさり、共に祈りを捧げました。教会内を荘厳するフレスコ画からは、 作者の魂そのものが感じられ、そこに参加した者の心を強く打ちました。 この教会の天井高く描かれた虹のように、国や宗教といった 垣根を超え、世界平和、人類救済を実現するための架け橋を架けられるよう交流を深めていきたいと思いました。

ヴィース巡礼教会 〜鞭打たれる救い主への巡礼教会〜

 1730年、シュトラウプ神父とシュバイガー修道士が、シュタインガーデンのプレモントレ修道院において、 当時、慣例となっていた聖金曜日の聖体行列のために、寄せ木造りの「鞭打たれる救い主」の木像を作成し、 関節部は亜麻布で覆い彩色しました。しかしながら、この血と傷で覆われた木像はそのあまりの悲惨さのために信者達の同情を呼び、 間もなく用いられなくなったのです。そして、1734年以来、シュタインガーデン修道院付属の食堂の主人エレミアスの屋根裏に 忘れ去られていました。1738年3月4日、この主人の洗礼立会人である農婦が「鞭打たれる救い主」を自らの農場に譲り受け、 熱心な崇拝を捧げました。そして、1738年6月14日の夕拝中に、「鞭打たれる主」の目に涙をみたのです。 これが、「ヴィースの軌跡」とうたわれ、非常な勢いで全ヨーロッパに広まった大巡礼運動の起源となったのです。
 ヴィース教会は、見事に統一された「鞭打たれる救い主」への崇拝とロココ様式が他に類をみないほどに開花した完成美を誇る 総合芸術の精神より成り立っています。ヴィースのメッセージはこの教会建築そのものと同じように喜ばしく快活な、 光り輝いているメッセージなのです。その時代の天才ドミニクス・ツィンマーマンが作り出したこのフレスコ画は今日に至るまで 人々を魅了し、世界の創造と私たちの救いという神による業に対して人々に喜びと感謝の念を起こさせているのです。
 このヴィース巡礼教会は、1983年ユネスコの世界遺産に登録されました。
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